内閣府が日本レスリング協会へ報告要求

内閣府

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各種報道でも明らかにされていますが、日本レスリング協会のパワハラ問題に関して、内閣府公益認定等委員会が、協会に対して報告要求を行いました。

ネットの記事や報道は断片的で分かりにくいのですが、内閣府から公表されている下記文書を全て読めば詳しく書いてあります。

公益財団法人日本レスリング協会に対する報告要求について(平成30年4月27日)

この公開文書では、個人情報保護の観点から内閣府の配慮があり、登場人物の名前がA、B、Cといったアルファベットにされた上で公表されていますが、マスコミの報道等で国民には周知の内容ですよね。

文書の中で、

平成22年2月の女子合宿の際、当時監督の地位にあった貴法人のがBに対し、「よく俺の前でレスリングできるな。」などといったこと

というくだりを読んで、って、「」?全く隠してないじゃん!(笑)とか一瞬思いましたが、内閣府にそこまでの意図はないでしょうね。

レスリング協会に対する報告要求のポイント

色々論点はあるのですが、1番重要な点は、これまで不祥事を起こした公益法人と同様に、まずは役員の責任、組織として各機関が監督機能を果していなかったことについて説明が求められているという点です。

相当の期間にわたり問題を放置していたことについて、理事会、評議員会、監事の責任が厳しく問われることになります。

内閣府の文書では、

理事会、評議員会及び監事の責任をどのように認識しているかについて御説明ください。

と回答を求められていますね。

今回のように、行政が介入する段階になるまで問題が明るみならず、問題解決への行動をとれなかったということは、日本レスリング協会が組織として腐敗しており、自浄能力が欠如していたことを意味します。

簡単に言えば、理事会、評議員会、監事が名前だけのお飾りで、公益法人を適切に運営する観点からは役に立っていなかったということです。

具体的には

  • 理事会が、代表理事や執行理事等の職務執行を適切に監督できなかったこと(理事会の職務は、理事の職務執行の監督:法人法197条において準用する90条2項2号)。
  • そのような理事会を評議員会が事実上追認し続けてきたこと(理事の選任・解任は評議員会の権限:法人法177条において準用する63条1項、176条)。
  • 監事が、理事の不正行為等を見逃してきたこと(理事の不正・法令違反の事実等を理事会へ報告するのは監事の義務:法人法197条において準用する100条)。
このような点が問題になります。

このような視点は、レスリング協会に固有のものではありません。

公益財団法人で何か不祥事が起これば、まずはこのような視点から役員の法的な責任が問われることになります。

レスリング協会の役員体制は?

レスリング協会の役員体制をレスリング協会のサイトから引用すると以下のような記載があります。

【会 長】 福田富昭
【副会長】 馳浩、谷岡郁子、高田裕司(専務理事兼任)
【協会の副会長選任の特例に関する内規による副会長】 太刀川恒夫、今泉雄策、松浪健四郎、沼尻久、下田正二郎、
【専務理事】 高田裕司
【常務理事】 富山英明、土方政和、栄和人、藤沢信雄

レスリング協会のサイトの記載によれば、パワハラの張本人である栄和人氏は、法人の常務理事でもあるわけです。

日本レスリング協会の定款の23条2項によると、常務理事というポジションは、理事会で理事の中から選任することになっています。

  • パワハラを犯すような人物を常務理事という役職に選定し、放置した(解任しない)理事会の責任。
  • パワハラを犯すような人物を理事として選任し、放置した(解任しない)評議員会の責任。
まずはこういう点が厳しく追及されなければ、同じことが繰り返されてしまいます。

今回の不祥事は、栄和人氏の個人的な資質のみが原因なのではなく、レスリング協会の組織としての在り方そのものが原因になっているからです。

また、内閣府の文書では、パワハラ問題だけではなく、「会計処理に係る問題」という別の論点の存在も指摘されています。

レスリング協会の役員が、責任を認めて真摯に反省するのか、それとも単なる責任逃れの言い訳に終始するのか。

内閣府への回答がどのような内容になるのかで、国民の信頼を取り戻せるかどうかが決まってきます。

公益法人の支援に携わるものとしては、レスリング協会の真剣な反省・再生を期待したいのですが、これまでの報道を見る限り、そのような自浄能力のある組織とも思えないのが残念なところですね。

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