新しい不認定事例が内閣府の公益法人インフォメーションで公開されましたのでご紹介します。
→ 2020年1月10日【答申】一般社団法人日本自然文化協会〔公益認定申請〕
公益認定審査において要となるポイントは大きく3つあります。
- 事業内容の公益性
- 技術的能力
- 経理的基礎
公益認定の審査における細かい論点は他にもいろいろあるのですが、公益認定を目指す団体はまずこの3点を重視して申請に向けた対策を検討しなければなりません。
行政から公表されている不認定事例を研究すればわかることですが、公益認定の審査において不認定になる場合には、この3つのうちのどれかに問題があって不認定になることがほとんどです。
また、私自身は行政書士として公益認定申請を目指す団体の支援を10年以上行っていますが、公益認定審査の現場において担当する役人と議論をしていても、この3つがまず問題になります。
不認定事例を机上で研究するまでもなく、私の経験からも、上記の3つが重要であることは明らかです。
公益認定の審査については、「事業内容の公益性」についての審査が厳しいというイメージを持っている方が多いのではないかと思われます。
確かにその通りで、公益認定の審査においては事業内容の公益性について厳しく審査されています。
行政側は基本的に「公益認定を出したくない」というバイアスを持って審査をしていますので、事業内容の公益性を否定するような視点から様々な指摘や言いがかりとも思えるような理屈をつけて公益認定をあきらめるように説得してきます。
そのような否定的な姿勢の行政の役人と議論をし、事業内容の公益性を主張し、評価してもらうというプロセスは、困難を極めます。
ここに公益認定の1番の苦労がある点は、私が10年以上公益認定支援に携わってきた経験からも間違いのないことです。
しかしながら、事業内容の公益性だけが公益認定審査の重要ポイントではないということも、同時に知っておく必要があります。
つまり、公益性だけではなく法人の「技術的能力」もまた審査上重要であるということを忘れてはいけません。
今回の記事の冒頭でご紹介した不認定事例の大きな特徴は、事業内容の公益性について一切検討せず、法人の技術的能力のみを理由として不認定の結論を下している点にあります。
公益認定申請を目指す団体からご相談を受けていると、「我々の事業は公益性があるから大丈夫!」と仰る団体に限って、「事業内容の公益性」以前の問題として、そもそも「技術的能力」が疎かになっていることが少なくありません。
公益認定を目指す団体は自らの技術的能力についても必ず検討するようにしましょう。